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西蔵の民族と文化 近代チベット史叢書 2

西蔵の民族と文化・書影
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青木文教・著(改訂新版)
A5判・上製クロス装・函入 2009年3月刊
定価:5700円+税 ISBN978-4-86330-025-5

日本のチベット研究開拓者が語る
チベット悠久の歴史と、日本との意外な縁!

鎖国下のチベットに仏教学者として5年間の調査滞在を果たした、日本のチベット研究の先駆者・青木文教。民族文化の研究から当時のチベット情勢まで、様々なテーマから古今のチベット史を詳述! 第二次大戦下にあって、チベット問題の重要性と日本人のチベット理解を孤軍奮闘訴え続けた青木文教の快著!

*「チベットの聖徳太子」古代吐蕃の名君ソンツェン・ガムポ大王
*土着信仰「ボン教」とチベット仏教(ラマ教)との「神仏習合」
*交流促進のため日本にチベット仏教寺院を建てる提案…etc

「近代チベット史叢書」推薦文  小峰彌彦大正大学学長・仏教学博士)

 2009年は、1959年のチベット民族蜂起より50年の年にあたる。昨年の北京オリンピックの折りにも解放問題をめぐり、世界各地で解放を望む運動が顕在化したことは記憶に新しい。とはいえこの問題も、決定的な武力紛争までいたらなかったこと、さらには中国への配慮なども影響し、日本においての関心はそれほど高くなるには至らなかったのが現況である。だが、チベット問題は、当該の民族のみのことではなく、国際的にも重要な課題であることは間違いない。それ故、私たちはこの課題に真剣に向き合う必要があるが、そのためにはチベットに対する基礎的な知識を備えた上の正しい認識が不可欠となるのである。
 本叢書は「20世紀初頭から第二次世界大戦に至るチベットの歴史と民族文化」を学ぶ基礎的な資料としても重要であるし、チベット問題の原点を考察する上で貴重な材料を提供している良書である。青木文教氏をはじめとする著者の体験を通しての報告は、読者に多くの知識と示唆を与えるものと確信するものである。

著者略歴

青木文教(あおき・ぶんきょう)
チベット研究者、僧侶。滋賀県安曇川町生まれ。仏教大学(現・龍谷大学)大学院在学中に大谷光瑞の秘書となり、仏教遺跡の研究に従事。大正元年(1912)より5年間チベットの首府ラサに滞在し、ダライ・ラマ13世と親交を持つ。1941年から終戦まで外務省調査部嘱託職員としてチベット問題研究に従事。戦後は東京大学講師などを務め、チベット語を教える。(1886-1956)

目次

1 チベットの民族及び文化
 国名の解説/民族の由来/チベットの地誌/国情と文化

2 チベット問題の重要性
3 チベットの神話と伝説

 チベットの神話について/ボン教の信仰と伝説/古代ボン教の特質/仏教神話とその考察/
 仏教伝説とその考察/結びの言葉

4 ソンツェン・ガムポ大王

 掲題の解説/チベットと我が国との相似点について/ソ王の出現/
 いわゆる「聖徳太子」としてのソ王について/結論

5 ラマ教に関する諸考察

 「ラマ」教という語義の解説/インド密教とラマ教との脈絡/ ボン教またはシャマン教の影響/
 ラマ教の沿革概要とチベット文化/ラマ教の教理と信仰の特異相/チベットの国体とラマ教の根本精神/
 蒙古とチベット・ラマ教との特殊関係/古満洲王朝とチベット・ラマ教政略/
 帝制ロシアと英支のラマ教対策/我が国のとるべきラマ教対策の検討

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