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近現代における茶の湯家元の研究

近現代における茶の湯家元の研究・書影
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廣田吉崇 著
A5判・上製・カバー装・416ページ 2012年12月刊
定価:4000円+税  ISBN978-4-86330-059-0

近現代史にみる「家元」の変遷

茶の湯などの伝統文化に欠かせない存在である「家元」。このような家元のあり方は、いつの時代にはじまるのか。家元と天皇・皇族との間には、どのような歴史があったのか。
本書は、近現代の茶の湯に焦点をあてて、茶の湯家元が現代の姿に至る歴史的変遷を明らかにする。
茶道家、茶の湯研究者、日本近代史家に必携!

学術書ながら、企業経営のヒントにもなる極上の日本文化論!
家元は時代の流れの中で変容を遂げながらも、茶の湯文化のサステイナビリティに絶大な力を発揮してきた。わが国独特のあり方を通して見えてくる、この国のしなやかな強靭さ。
― 作家 北康利

*「茶華道ニュース(茶華道ニュース社・名古屋市中川区)第712号(平成25年2月1日)に、本書の紹介記事が掲載されました。

第八回 林屋辰三郎藝能史研究奨励賞 受賞!

藝能史研究會主催の第八回林屋辰三郎藝能史研究奨励賞を受賞しました(13/6/9)

《選考理由文》
芸能史における家元の本格的な研究は、西山松之助氏の『家元の研究』以来、絶えてありませんでした。廣田氏の業績は茶の湯家元に限定されるものとはいえ、近・現代の家元制度が、近世に形成された家元制度と異り、大衆的基盤の上になった別箇のものであることを明らかにし、新しい権威として形成される過程を論じておられます。あわせて、近代茶道史料の扱いについても新しい所見が認められます。かつて林屋辰三郎先生も強い関心を示していた家元制度研究の注目すべき業績となるものです。以上の理由から、本書に対して林屋辰三郎藝能史研究奨励賞を授与することになりました。
−第50回藝能史研究會大会(2013年6月8日・9日)レジュメより抜粋

著者略歴

廣田吉崇(ひろた・よしたか)
昭和34年(1959)生まれ。昭和60年(1985)東京大学法学部卒。平成7年(1995)阪神・淡路大震災を機に茶の湯研究をはじめる。平成24年(2012)神戸大学大学院国際文化学研究科文化相関専攻博士課程修了。博士(学術)。

目次

序章 茶の湯の歴史における家元の存在
第一節 現代における家元とは
第二節 家元に関する先行研究
 一 家元研究の展開 
 二 家元研究にみる近現代の家元 
第三節 近世の茶の湯家元のあり方 
 一 茶の湯家元の特殊性
 二 茶の湯の歴史にみる二つの茶の湯文化の存在
 三 流派と何か
 四 茶の湯における近世家元システム

第一章 家元と天皇との距離―献茶にみる家元の社会的地位の変遷―
第一節 指標としての「天皇との距離」
第二節 近世における茶の湯と天皇―千家にみる「天皇への志向性」―
 一 「天皇への志向性」の源流としての禁中茶会
 二 「天皇への献茶」の“復活”とその実態
第三節 「天覧」にみる明治期の家元の姿
 一 明治期の「貴紳の茶の湯」と「流儀の茶の湯」
 二 井上馨邸における「天覧茶会」にみる家元の姿
 三 明治期の行幸・行啓における千家家元の姿
 四 明治期における家元の自己認識
第四節 近代における「貴紳の茶の湯」―松浦家の茶の湯―
 一 「大名茶」そして「貴紳の茶の湯」としての鎮信流
 二 松浦詮と「貴紳の茶の湯」
 三 松浦詮と「流儀の茶の湯」
 四 その後の松浦家の茶の湯と「天皇との距離」
第五節 大正・昭和初期の家元―独立の存在として認められる家元―
 一 家元による「皇族への献茶」
 二 「皇族への献茶」の背景とその意味―期待される、新たな“皇室の藩屏”―
第六節 第二次世界大戦後の家元―茶の湯の世界の頂点に立つ家元―
 一 存在感を失う華族階級―前田家と裏千家との逆転劇―
 二 代償としての家元批判
 三 近代の家元から現代の家元への展開

第二章 明治前期の喫茶文化の状況―「貴紳の茶の湯」と“中小流派”―
第一節 茶の湯の復興における“明治十年”
第二節 有栖川宮幟仁親王にみる喫茶文化
 一 有栖川宮幟仁親王と喫茶および茶の湯
 二 明治前期の茶会にみる有栖川宮幟仁親王の交際関係
 三 有栖川宮幟仁親王の茶の湯をめぐる新たな動向
 四 茶道具への関心の深まり
第三節 東久世通禧にみる喫茶文化
 一 東久世通禧の人物像
 二 東久世通禧と茶の湯
 三 東久世通禧における明治前期の茶の湯
第四節 「貴紳の茶の湯」にみる“中小流派”の家元たち
 一 明治期の「流儀の茶の湯」の状況
 二 幕末・明治期の宗徧流のあり方
 三 「流儀の茶の湯」における貴紳の位置付け―“家元を預かる”―
 四 小川流煎茶にみる家元のあゆみ
 五 久田流にみる“中小流派”のあゆみ
 六 「貴紳の茶の湯」から、中小流派をふくむ「流儀の茶の湯」へ

 

第三章 創られる家元―流派が “家元”を要求する―
第一節 近代における中小流派の状況
 一 近世家元システムを構築していなかった流派
 二 女性家元の登場
第二節 大正十二年の宗徧流における「流派統合」
 一 「流派統合」以前の宗徧流
 二 山田宗有による宗徧流の「流派統合」
 三 山田宗有の宗徧流への批判と課題
第三節 昭和初期の石州流における「流派統合」
 一 「流派統合」以前の石州流
 二 片桐家による石州流の「流派統合」とその批判
 三 石州流の「流派統合」の評価
第四節 昭和三十八年の有楽流における「流派統合」
 一 「流派統合」以前の有楽流
 二 織田家による有楽流の「流派統合」とその問題点
 三 有楽流の「流派統合」の評価
第五節 川上不白系流派における流派の継承
 一 川上不白系流派の第二次世界大戦後の復興
 二 石塚派の復興とその問題点
第六節 「流派統合」の論理

第四章 第二次世界大戦後における茶の湯イメージの転換
―裏千家千宗興の渡米が意味するもの―
第一節 いまだ脆弱さのある家元システム
 一 第二次世界大戦後の混乱期における家元
 二 当時の裏千家の組織力
第二節 裏千家の二つの機関誌の併存―伝統志向と改革志向―
 一 『茶道月報』と『淡交』との志向のちがい
 二 『淡交』にみる新たなメディアへの関心
第三節 裏千家の国際化への志向
 一 国際茶道文化協会の設立
 二 千宗興の渡米
 三 千宗興渡米の“国内的”効果
第四節 “新たな”伝統的価値への回帰
 一 皇太子明仁親王への献茶
 二 新しくて古い茶の湯イメージ

第五章 千宗旦の出自をめぐる「利休血脈論争」―貴種化する家元―
第一節 家元の正統性としての「血脈」
 一 千家の初期の系譜をめぐる問題
 二 学問としての茶の湯研究と「利休血脈論争」
第二節 「利休血脈論争」とその問題点
 一 「利休血脈論争」の経緯
 二 「利休娘実子説」に肯定的な三つの資料
 三 「利休娘実子説」に否定的な資料(一)
 四 「利休娘実子説」に否定的な資料(二)
 五 「利休娘実子説」の根拠の脆弱性
第三節 「利休血脈論争」の意味と評価 
 一 議論の混乱の原因―近世における千家関連資料の潤色―
 二 「利休血脈論争」の意義
 三 貴種化する家元

終 章 まとめと課題
第一節 本研究のまとめ
第二節 のこされた課題
 一 なぜ家元に権威が認められるのか
 二 新たな家元の現代史がつくられつつあること

あとがき
索引

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