天皇陛下の御聖断 二・二六事件と終戦の真相 (発行:はるかぜ書房 発売:慧文社)
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中江克己 著
A5判・並製・カバー装・総232ページ
定価:本体2000円+税 2015年11月17日刊行
ISBN 978-4-86330-155-9 C0021
終戦か滅亡か!? 息を呑む舞台裏の駆け引き!
「二・二六事件」時には岡田首相の秘書官として奇跡的な首相救出劇を果たし、「終戦」時には鈴木内閣の書記官長として「終戦の詔書」(玉音放送)を起草、昭和史の二大事件を中枢で体験した迫水久常。その証言を、迫水の最後の秘書であった著者が、「語り部」として今日に伝える。臨場感溢れるドキュメンタリー!
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ようやく叛乱軍の将校に導かれて、遺骸の置かれている寝室のところに来た。そして枕元に座り、合掌してから、おもむろに顔にまでかかった布団をはいでみた。
その一瞬、迫水秘書官は「あっ」と小さく叫び、驚いて息を呑んだ。岡田総理の遺骸とばかり思っていたのに、実際には、当時官邸に一緒に居住していた松尾伝蔵という、岡田総理の妹の夫である陸軍大佐の遺骸であったのだ。
いったい本当の岡田総理はどうなっているのか? 〜本書より抜粋〜
著者略歴
中江克己(なかえ・かつみ)
昭和21年(1946)、山口県下関市生まれ。日本大学法学部在学中より、参議院議員迫水久常の書生として政治修業に励み、その後第二秘書となる。以後、越智通雄衆議院議員秘書、斎藤文夫参議院議員第二秘書、栗本慎一郎衆議院議員政策担当秘書、青木宏之衆議院議員政策担当秘書、米田建三衆議院議員政策担当秘書、東郷哲也衆議院議員秘書等を歴任し、45年間にわたり議員秘書として活動。現在、一般社団法人日本標識機構代表理事・公益社団法人国際経済交流協会監事。 |
迫水久常(さこみず・ひさつね) 略歴
明治35年(1902)、旧薩摩藩家老職を務めた迫水家に生まれる。東京府立一中、第一高等学校を経て、東京帝国大学法学部法律学科を卒業後、大蔵省に入省。昭和9年(1934)、岳父にあたる岡田啓介海軍大将の内閣総理大臣任命に伴い、同秘書官となる。昭和11年(1936)、二・二六事件の際、首相官邸から岡田首相を救出。昭和20年(1945)4月、鈴木貫太郎内閣の内閣書記官長に就任。戦争終結のため尽力し、8月15日に全国放送された『終戦の御詔勅』(いわゆる「玉音放送」)を起草した。戦後は、衆議院議員を2期、参議院議員を4期務め、国務大臣経済企画庁長官、郵政大臣、参議院自民党幹事長、両院議員総会長を歴任。昭和52年(1977)死去。正三位勲一等旭日大綬章。
目次
序
1.まえがき
2.中江克己の生い立ちと経歴
3.天皇陛下からお言葉を賜る
前篇 二・二六事件の秘話
1.二・二六事件の序説
2.陸軍士官学校事件
3.永田軍務局長を斬殺した相沢事件
4.二・二六事件の勃発
5.首相官邸襲撃と岡田啓介総理の救出劇
6.生きていた岡田首相
7.鈴木貫太郎侍従長襲撃
8.高橋是清蔵相襲撃
9.斎藤實内大臣襲撃
10.渡辺錠太郎教育総監襲撃
11.牧野伸顕前内大臣襲撃
12.陸相官邸を占拠した丹生誠忠中尉
13.稀にみる殺戮劇の惨虐性
14.日本女性の誉れ
15.天皇陛下の断固討伐の怒り
16.勅命下る・兵に告ぐ
17.二・二六事件の総括
18.二・二六事件の裁判
後篇 終戦の真相
1.開戦前夜
2.天皇陛下のお気持ち
3.真珠湾攻撃による日米戦争の開戦
4.鈴木内閣における終戦工作
5.ついに、原爆投下
6.終戦の聖断、下る
7.終戦の詔書〜玉音放送へ
8.終戦〜そして占領へ
9.日本とドイツの降伏の違い
10.昭和天皇とマッカーサー元帥の会見秘話
11.国際法違反の極東国際軍事裁判(東京裁判)
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