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河口慧海・著(改訂新版)
A5判・上製クロス装・函入・288ページ 2015年12月刊
定価:8000円+税 ISBN978-4-86330-156-6
チベットの写本を精査・解読して得られたもう一つの「釈尊伝」!
それまでの日本において、インド仏教の歴史は、主に漢訳の文献のみを以って知られていた。しかし、チベットには未だ知られざる文献が伝えられていた!河口慧海は十一書十三種類のチベット語の写本を比較対照し、チベットに古来より伝えられてきた釈尊の伝記を精査・研究した。チベットに息づいてきた摩訶不思議な仏伝の世界が今ここに!
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「河口慧海著作選集」推薦文 チベット文化研究会会長 高山龍三
百年余前、チベット探検僧としてもてはやされた河口慧海、一年余で再渡印、インド、ネパール、チベットに計一七年も滞在、仏教、チベット語、梵語を学んだ。帰国したときは五〇歳、彼の研究と著作はその後に始まる。あまりにも有名な『チベット旅行記』のみ取りあげられるが、日本におけるチベット学の祖として、請来した経典の翻訳、研究、チベット語学生の養成、未完に終わったが辞典編纂につとめた。慧海を扱った本や論文は日本だけでなく、中国、欧米にも及び、増え続けている。彼の仏教思想は改めて現代に問い直されている。彼は学究としての道をとらず、また僧としての地位に安住せず、行動する真の宗教者として一生を終えた。彼の請来した文献や多方面にわたる文物は、公共の機関に所蔵され、チベット文化研究に貢献した。そのいくつかの著作は復刻されたが、ここに現代人が読みやすいように、書籍化されるようになったのは、幸せなことである。 |
著者略歴
河口慧海(かわぐち・えかい) 1866-1945
仏教学者、僧侶。大阪府堺市生まれ。哲学館(現・東洋大学)、黄檗山万福寺に学ぶ。大乗仏教の原典を求め、1897年よりインド・ネパールを遍歴の後、単身チベット探検を敢行。1901年(明治34年)日本人で初めてチベットの首府ラサに到達する。1913年(大正2年)2度目のチベット入りを果たし、ネパール伝サンスクリット(梵語)仏典、チベット大蔵経等を将来する。帰国後、大正大学教授。我が国の西蔵学(チベット学)・印度学(インド学)の先駆として活躍。著書『西蔵旅行記』(チベット旅行記)は現在まで広く読み継がれている。 |
目次
第一章 拝語より藍毘尼苑名義の起原に至る
第二章 釈迦牟尼仏本生略伝
第三章 仏誕生より防水工事まで
第四章 四門出遊より成道まで
第五章 初転法輪より霊鷲山説法に至る
第六章 戒律成立より大迦葉波に半座を頒つに至る
第七章 阿闍世王の父王逆殺より牛角山の讖言に至る
第八章 釈尊入滅の宣言より入滅に至る |
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