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生死自在 河口慧海著作選集 第7巻

「生死自在」書影
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河口慧海・著(改訂新版)
A5判・上製クロス装・函入・224ページ 2016年2月刊
定価:7000円+税 ISBN978-4-86330-158-0

死んだらどうなる? どう生きる?

人は死んだらどうなるのか、いかに生きるべきか。日露戦争のさなか、そのような切実な質問がチベットから帰ったばかりの河口慧海のもとに寄せられた。慧海はそれらの質問に答えるために講演会を行った。そこで彼は、他宗教と比較しながら仏教の真髄をコンパクトにまとめて解き明かした。「生死自在」の境地とは?不殺の戒を持つ仏教者は戦争にどう向き合うべきか、などの疑問にも答えた名著。(現代表記の改訂新版)

「河口慧海著作選集」推薦文  チベット文化研究会会長 高山龍三

百年余前、チベット探検僧としてもてはやされた河口慧海、一年余で再渡印、インド、ネパール、チベットに計一七年も滞在、仏教、チベット語、梵語を学んだ。帰国したときは五〇歳、彼の研究と著作はその後に始まる。あまりにも有名な『チベット旅行記』のみ取りあげられるが、日本におけるチベット学の祖として、請来した経典の翻訳、研究、チベット語学生の養成、未完に終わったが辞典編纂につとめた。慧海を扱った本や論文は日本だけでなく、中国、欧米にも及び、増え続けている。彼の仏教思想は改めて現代に問い直されている。彼は学究としての道をとらず、また僧としての地位に安住せず、行動する真の宗教者として一生を終えた。彼の請来した文献や多方面にわたる文物は、公共の機関に所蔵され、チベット文化研究に貢献した。そのいくつかの著作は復刻されたが、ここに現代人が読みやすいように、書籍化されるようになったのは、幸せなことである。

著者略歴

河口慧海(かわぐち・えかい) 1866-1945
仏教学者、僧侶。大阪府堺市生まれ。哲学館(現・東洋大学)、黄檗山万福寺に学ぶ。大乗仏教の原典を求め、1897年よりインド・ネパールを遍歴の後、単身チベット探検を敢行。1901年(明治34年)日本人で初めてチベットの首府ラサに到達する。1913年(大正2年)2度目のチベット入りを果たし、ネパール伝サンスクリット(梵語)仏典、チベット大蔵経等を将来する。帰国後、大正大学教授。我が国の西蔵学(チベット学)・印度学(インド学)の先駆として活躍。著書『西蔵旅行記』(チベット旅行記)は現在まで広く読み継がれている。

目次

はしがき
第一 生死自在を説明する必要
第二 仏教真実義を説明するの理由
第三 真理を了解する困難
第四 宗教の定義を述ぶるの必要
第五 有神教の定義
第六  悟性教の定義
第七  両定義の欠点
第八  宗教の起こりし理由
第九  現在宗教に就いての証明
第十  自家宗教の定義及び解釈
第十一 宗教の定義に依って三大教を批判す
第十二 厭世教と楽天教
第十三 仏教は厭世教か基督教は楽天教か
第十四 仏教の真実
第十五 仏教の厭世と楽天
第十六 完全なる目的を達する根拠
第十七  自由意志説
第十八  精神因果律
第十九  自作自受の法
第二十  邪因邪果論
第二十一 原因結果の理法は無始無終に相続す
第二十二 精神不滅の異説
第二十三 精神不滅則その一 勢力と精神との異同
第二十四 その二 唯物論者の精神説
第二十五 その三 精神と勢力といずれを主とするか
第二十六 その四 精神が突然勢力に変ずるの難を解く
第二十七 その五 箇々精神の相続律
第二十八 その六 謬見的究竟観
第二十九 その七 死後出生の証説
第三十  有神教の不真理
第三十一 共同業と各自業
第三十二 大慈悲の実行
第三十三 戦争不可能説を破す
第三十四 肉食の害毒
第三十五 菩提心を発すの要素
第三十六 仏教信者の本分
第三十七 在家の菩薩と出家の菩薩
第三十八 因果必然説と自由意志説との衝突
第三十九 仏教の自由意志説
第四十  自由意志の発達と智慧と情緒との発達
第四十一 自由意志説と因果必然説との調和
第四十二 六波羅密の解
第四十三 世間的道徳と仏教的道徳
第四十四 生死自在を得るの捷径
第四十五 結論
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