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小河 滋次郎・著
A5判・上製クロス装・函入 2016年5月刊 208頁
定価:7000円+税 ISBN978-4-86330-162-7 C0332
2016年春、待望の新シリーズ、刊行開始!
旧監獄法、感化法や国立感化院、方面委員(後の民生委員)制度の確立に尽力した小河滋次郎による監獄論!
看守(刑務官)とは何か?どうあるべきか? 旧監獄法、感化法や国立感化院、方面委員(後の民生委員)制度の確立に尽力した法学者、日本の監獄学の大家である小河滋次郎。彼が看守に向けて記した数々の「心得」に加え、感化教育に対する重要な提言論文「教養感化の要務を論ず」などを収める。小河滋次郎に関する優れた伝記的研究で知られる小野修三(慶應大学名誉教授)氏による解題付き。新字新かなの読みやすい改訂新訂版!
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「日本の司法福祉の源流をたずねて」刊行にあたって
近年、体感治安の悪化により、いわゆる刑罰の「厳罰化」を求める声も大きくなっている。少年法も適用年齢引き下げの議論が行われている。しかし、一般刑法犯検挙人員中の再犯者の占める割合(再犯者率)は、年々高まり、平成26年では47.1%となっている。これは一度罪を犯すと立ち直るのが難しいということを物語っている。社会に「居場所」と「出番」がなく、そうかといって福祉サービスを十分に受けられないために、犯罪を繰り返しては刑事施設の中で生活する人も多い。日本の犯罪率と再犯率を下げるためにも司法福祉の充実が急務である。これからの日本の司法福祉はどうあるべきか。それについて考えるために、その源流を再確認することは重要である。先人たちの名著をひもとくことによって、現在の問題と、これから進むべき道がより深く見えてくるに違いない。
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著者略歴
[著者] 小河 滋次郎(おがわ・しげじろう)
法学者。号は岳洋。旧制東京専門学校(現・早稲田大学)法律学科、東京大学法学部別課法学科で学ぶ。論文「未成年者に対する刑事制度の改良に就いて」で法学博士号。内務省警保局監獄課に配属され、ドイツに留学し監獄状態を視察。万国監獄会議に出席。警視庁典獄となり、監獄法、感化法の起草に尽力。国立感化院(現・国立武蔵野学院)の設立に携わり、同院の院長事務取扱を務める。中国(清国)政府に招かれ、獄制改革を指導。また、方面委員(後の民生委員)制度の確立に尽力した。
[巻末解題] 小野 修三(おの・しゅうぞう)
慶應義塾大学名誉教授、博士(法学)。一九四八年生まれ。一九七六年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。主要著作に、『公私協働の発端―大正期社会行政史研究―』(時潮社、一九九四年)、『監獄行政官僚と明治日本―小河滋次郎研究』(慶應義塾大学出版会、二〇一二年)。 |
目次
自序
第一章 緒論
緒論
看守の職務
看守の職務に内外の別あり
看守の職務は軍人の職務に酷似す
第二章 看守の職務に対する一般の心得を論ず
看守の職務に対する一般の心得
看守の職務は艱苦辛労多し
看守の職務を光明の側面より観察す
第三章 看守の職務に必要とする素養を論ず
看守の職務に必要とする素養
文筆の素養
算数の素養
犯則の報告
規律及び技芸素養
第四章 遇囚一般の要務を論ず
遇囚一般の要務
平静の意義及び必要
公正の意義及び必要
厳粛の意義及び必要
公明の意義及び必要
慈愛の意義及び必要
第五章 看守の上官に対する心得を論ず
上官に対する心得
典獄に対する心得
教誨師に対する心得
監獄医に対する心得
監獄書記に対する心得
庶務主任の書記に対する心得
会計用度主任の書記に対する心得
作業主任の書記に対する心得
看守長に対する心得
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第六章 教養感化の要務を論ず
教養感化の要務
分房囚に対する看守の心得
監房訪問の要務
畏怖心の行動に現わるる所の状況
神経過敏なる者に対する心得
残暴兇悪なる者に対する心得
戇愚喪心の者に対する心得
弱志軽躁なる者に対する心得
利欲的囚人に対する心得
手淫の悪習に対する心得
雑居囚に対する心得
規律の必要
清潔の必要
作業に対する心得
個人的遇囚の心得
第七章 看守の特別勤務に配置せられたる場合の心得を論ず
特別勤務に対する心得
門衛及び受付勤務の場合
夜勤の場合
捜検の場合
検束の要
運動の場合
炊事掃除の場合
免役日及び休役時間の場合
教誨堂勤務の場合
教場勤務の場合
病監担当の場合
釈放の場合
第八章 看守の同僚及び社交に対する心得を論ず
同僚及び社交に対する心得
解題(小野修三) |
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