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司法保護事業概説  日本の司法福祉の源流をたずねて 5

司法保護事業概説・書影
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森山武市郎・著
A5判・上製クロス装・函入 2017年2月刊 256頁
定価:7000円+税 ISBN978-4-86330-166-5 C0332

第5巻(第5回配本)
「保護観察所」とは?「保護司」とは何か?どうあるべきか?現代的表記による改訂新版。高橋有紀氏の解題付き。

戦前日本の司法保護の法的基盤を整え、戦後に築かれた現在の更生保護制度につなげた森山武市郎の集大成ともいうべき名著!罪を犯した者、または罪を犯すおそれがある者を保護するにはどうすればいいのか。司法保護事業法や思想犯保護観察法などを立案した森山が、様々なデータや具体例も示しながら、犯罪少年、触法少年、虞犯少年、起訴猶予者、刑執行猶予者、刑執行停止者、刑執行免除者、仮釈放者、満期釈放者、そして思想犯の保護について詳しく論じる。戦前・戦中の、そして今日の更生保護や司法福祉について論じる際に外せない必須文献!(解題・高橋有紀)

本書より抜粋

犯罪前歴者はまず危険の包蔵者として見られる。
それ故にこそ、それは刑事的政策の対象となるのであるが、同時にそれが依然として社会の一員であることを忘れてはならない。

「解説」より抜粋

『司法保護事業概説』は、それらの[註:森山の業績の]集大成とも言うべき著書であると同時に、思想犯保護観察、少年の保護処分、成人一般に対する司法保護の各分野について、網羅的にそれぞれの法制度の仕組みやその精神を記述したものである。司法省において、これらの各分野に関する政策立案を率いた森山による各制度の解説は的確且つ非常にわかりやすい。これは森山が、同書の目的を各種の司法保護事業の実務に従事する者に対する「執務上の参考に資する」こととし、「司法保護事業の現在の組織と、保護実務上の心得について、詳述することに努め」たこと(はしがき)に由来しているものと思われる。また、こうした目的ゆえ同書においては、当時の法律や規則、通達の文言や各種の統計資料などに依拠しながら、具体的な司法保護の方法について教示する記述も多い。このような特徴により本書は、今日において、当時の司法保護の全体像やその具体的状況を理解するにあたって欠かすことのできない史料である。(福島大学准教授・高橋有紀)

著者略歴

[著者] 森山 武市郎(もりやま・たけいちろう)
明治大学法学部を卒業後、ドイツおよびスイスへ留学し、民法と労働法を研究。帰国後、明治大学政経学部教授として労働法を講義。法学博士号を受ける。東京控訴院検事、宮城控訴院検事局検事長、大審院判事などを歴任した後、司法省に赴任。保護課長及び保護局長などを務めた。少年司法や成人一般の司法保護、思想犯の保護観察などに携わり、司法保護制度の整備、拡充に尽力した。司法保護事業法や思想犯保護観察法の成立に尽力し、「保護観察所」や「保護司」の制度を整備。戦後の更生保護制度につなげた。(1891ー1948)

[解題] 高橋 有紀(たかはし・ゆき)
1984年静岡県生まれ。2013年一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。明治学院大学法学部特別TA、一橋大学大学院法学研究科特任講師(ジュニア・フェロー)等を経て、2015年より福島大学行政政策学類准教授。主要業績に「2000年代以降の日本と英国における更生保護制度の問題点と今後の展望―更生保護における『ナラティブアプローチ』の可能性と限界」(一橋法学12巻2号、3号)、「1950年代から1970年代の更生保護制度における『官民協働』論の変容と継続―保護司への役割期待の本質」(犯罪社会学研究38号)、「戦前日本の方面委員、司法保護委員に期待された『民間性』に関する一考察」(司法福祉学研究13号)他。

目次

はしがき
第一章 司法保護事業の概念
第一節 司法保護事業の基調
一 国体と司法保護事業(わが国に於ける司法保護事業の特殊性)
二 恩赦と司法保護事業
三 司法保護事業に対する御恵沢
第二節 刑事政策に於ける保護の要請
一 犯罪防遏の必要
二 犯人恢復の要請
三 改善主義と保護の必要
第三節 司法保護事業の発達
一 司法保護事業の淵叢
二 免囚保護事業の発達
三 少年保護事業の生成
四 司法保護事業に於ける国家性の成長
第四節 司法保護事業の体系
一 保護の対象
二 保護の機構
三 保護の種類及び方法
第二章 釈放者及び猶予者保護の組織
第一節 保護の対象
一 保護対象の数とその分布
二 保護対象者の性質及び地位
第二節 保護の機関
一 司法保護団体
二 司法保護委員
第三節 保護の手続き
一 保護の要否及び保護の種類の決定
二 保護通知
三 保護の開始、その場合と手続き
四 保護の解除
五 保護に関する報告
第三章 釈放者及び猶予者保護の実際 ――その目標と方法――
第一節 保護の目標
第二節 接触の用意
一 輔導に当たる者の修養
二 相手に対する心持
第三節 対象の把握(――いわゆる調査について――)
一 調査の必要
二 調査の方法
第四節 保護の着手及び準備的保護
一 保護の着手
二 準備的保護(収容中の保護)
第五節 陶冶と生活の安定
一 性格の陶冶
二 生活の援護
第六節 司法保護委員の任務
一 郷党の保護機関として
二 公務員として
三 事務上の二、三の心得
第七節 司法保護団体の任務
一 社会復帰の援助
二 一時保護
三 収容保護の必要
四 収容保護の実情
五 収容保護に関する諸問題

第四章 少年保護事業
第一節 保護の対象
一 保護処分の対象
二 少年の実情
第二節 保護の機関
一 少年審判所
二 矯正院
三 保護団体その他
第三節 保護の手続き
一 保護処分
二 審判事件の受理
三 調査
四 仮処分
五 審判(少年法四十条乃至四十六条)
六 刑執行猶予少年及び仮出獄少年に対する保護処分
第四節 保護の内容
一 訓誡
二 学校長の訓誡
三 書面誓約
四 条件附保護者引渡
五 委託保護
六 少年保護司の観察
七 少年教護院に送致
八 矯正院に於ける保護
九 病院に送致または委託
第五章 思想犯保護事業
第一節 保護の対象
一 保護観察の対象
二 対象の思想状態
第二節 保護の機関
一 保護観察所
二 保護観察審査会
三 保護団体その他
第三節 保護の手続き
一 保護観察
二 保護観察事件の受理
三 調査
四 保護観察に付すべきや否やの決定
五 仮処分
六 保護観察処分の内容決定とその執行
七 監督指導
八 費用の補給及び徴収
第四節 保護の実状
第六章 司法保護事業の指導監督
第一節 指導監督の組織
一 監督系統
二 中央監督機関
三 諮問機関
第二節 司法保護団体に対する指導監督の内容
一 司法保護団体の設立及廃止に関する監督
二 事業の経営に関する指示
三 報告の徴集及び実況調査
四 寄附金募集の監督
五 監督の保障
六 奨励金の交付、公租公課の免除
七 保護事務に直接する指導及び補償
第三節 指導助成団体とその事実
一 司法保護連合会
二 特殊助成団体
森山武市郎『司法保護事業概説』解題 (高橋有紀)
1.森山武市郎について
2.『司法保護事業概説』の概略
3.『司法保護事業概説』の現代的意義

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パンフレット→PDF:チラシ 「日本の司法福祉の源流をたずねて」(表:563kb) (裏:234kb)


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