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日本禁酒史 (日本禁酒・断酒・排酒運動叢書第1巻・日高彪編)

日本禁酒史・書影
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著者:藤原暁三
ISBN978-4-86330-180-1 C0321
定価:本体6000円+税 264頁
A5判・上製クロス装・函入 2017年2月1日刊

古代から近世までの我が国の「禁酒史」を概説

「アルコール入りのお神酒は本来的ではなかった」など、驚きの事実とともに、我が国に古来から脈々と続く「禁酒」の歴史をひもとく。神話の昔から江戸時代まで、日本人がいかに酒害と闘ってきたか、その歴史が数々の文献・史料によって明らかに。宗教家、禁酒家、文化史研究家などに必携の書!禁酒運動が西洋からの押しつけであるという誤謬を糺す名著!読みやすい現代表記の新訂版として待望の復刊!(巻末解説:日高彪)
※本書は現代人にも読みやすい新字・新かな(現代的表記)の改訂新版です。

日本禁酒・断酒・排酒運動叢書以後続刊予定!

著者略歴・編者(解説者)略歴

〔著者〕藤原 暁三(ふじわら・ぎょうぞう)
曹洞宗僧侶。著書に『仏教と酒―不飲酒戒史の変遷に就て』、論文に「天桂禅師の性行」など。

〔本書解説・本叢書編者〕日高 彪(ひだか・たけし)
昭和44年5月28日、名古屋市に生まれる。文学・歴史研究家。東海中学・東海高校(浄土宗)に学ぶ。平成6年3月、早稲田大学第一文学部文学科日本文学専修卒業。出版社勤務を経て現在に至る。

目次

一 はしがき
二 上代と酒
三 聖徳太子の新政と大化改新
四 奈良朝の禁酒令

(1)四朝天皇の禁酒勅令
(2)讃酒歌と時代相
(3)養老伝説の妄談
(4)鑑真和上の戒律伝来
五 平安朝
(1)平安初期の禁酒令
(2)賜酒の主旨
(3)伝教、弘法両大師の禁酒
六 鎌倉時代
(1)武士と酒
(2)北条泰時
(3)北条時頼、時宗
(4)北条政連の諫草
(5)南都仏教の禁酒運動
(イ)明恵上人
(ロ)叡尊と良観
(6)禅と念仏
七 建武中興と室町時代
(1)建武式目
(2)細川頼之の禁酒とその後
(3)夢窓国師の臨川家訓と教界
八 江戸時代
(1)群飲佚遊の禁
(2)酒狂人の制裁
(3)旗本御家人の所刑
(4)造酒制限令
(5)五人組制度
(6)葉隠武士道の酒誡
(7)禁酒制酒を以て民政につとめし諸侯
    津軽信政
    上杉鷹山
    松平定信
    野中兼山
    その他の諸侯と良吏藩宰
(8)禁酒村の先駆
    大原幽学の教化と禁酒手本村
    陶山訥庵の治績と酒法度
    近江永久寺村庄屋源蔵の一村再興
    遠江浜名郡村櫛堀野代官の酒専売
    八丈島の五箇年禁酒
    伊予成能村民の禁酒
(9)西川如見の酒誡
(10)三浦梅園の酒誡
(11)正司考祺の禁酒論
(12)学塾と禁酒
(13)禅門禁牌石
解説(日高 彪)

本書より抜粋

おもうに明治以後我が邦における禁酒運動は欧米におけるそれに刺激されて発展したものであることは周知の事実である。しかしてそのことについて我々は大いに感謝しているのである。しかしながら、我が邦における禁酒の思想及び実践が欧米の禁酒運動によって初めて生じたものと思う者があるならば、それは勿論全くの錯誤である。我が日本民族は古来酒より生ずる精神的、肉体的害悪について決して無関心ではなかった。否、日本民族こそは最も鋭く酒の害悪を直感した民族であったのである。(本書序文より)

日本禁酒・断酒・排酒運動叢書「刊行の辞」

アメリカの所謂「禁酒法」について、鼻で笑い馬鹿にするが如き態度をとる日本人は多い。だが、アメリカの道徳的改良主義に源を発する同法が、結果的には失敗に終わったとはいえ、如何に真摯な問題意識から起こった、人類史上稀にみる「実験」であり「試行錯誤」であったのかを我々は改めて確認する必要がある。
日々目の当たりにする「酒害」の問題に、目を背けることなく、世に警鐘を鳴らし、それと戦い続けた慧眼の持ち主は、米国のみならず我が国にも多数存在した。しかも、米国の「禁酒法」より遥か昔、古代からわが国では、「禁酒運動」が細々ながら連綿と続けられてきたという事実は、本叢書第一巻「日本禁酒史」において明らかになるであろう。
本叢書は、そのような先人諸賢の言葉に謙虚に耳を傾け、今後の「禁酒運動」発展の一助となるよう、広く古今の名著を収集して編纂されたものである。
「運動」といっても、何もプラカードを掲げて市中を行進するばかりが「運動」ではない。我々の周りの問題飲酒者に注意を喚起し、手を差し伸べることもまた、立派な「運動」なのである。
酒害は真っ先に「人間関係」を破壊するが、酒害からの回復もまた「人間関係」によって齎される。或る種の目的を遂げるべく、国や社会、地域コミュニティー、家族などにおける「人間関係」に一定の影響を与えんとすること、それを広い意味で「運動」と呼んで差し支えないとの理由から、本叢書に「運動」の語を冠した次第である。
本叢書が、我が国におけるこれからの「禁酒運動」を理論的に後押しし、一人でも多くの酒害者やその家族の方々に希望の光が兆すことを祈るばかりである。(日高彪「巻頭言」)
「日本禁酒・断酒・排酒運動叢書」のパンフレットはこちらPDF(623KB)

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