「XはYが+述語形容詞」構文の認知論的意味分析
―「花は桜がいい」構文の意味分析を中心に
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豊地正枝 著
(国立台湾大学文学院・日本語日本文学学科教授)
A5判・上製・252ページ 2004年6月刊
定価:3800円+税 ISBN978-4-905849-11-7
画期的日本語=文法理論!
認知意味論に基づいて、「XはYがZ」構文の表す多元性に、初めて意味的な側面からメスを入れた画期的な構文論、意欲的な取り組み方、息をつかせぬ論理の展開!
さて、分析・考察の結果は? えっ、「花」に16種類もの意味があった? 門外漢でも一気に読めるおもしろさ!
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目次
1. 0 はじめに
1.1 問題提起及び研究範囲
1.2 研究方法
1.3 先行研究
2.0 「XはYが+述語形容詞」構文に対する伝統的な意味論による考察
2.1 「XはYが+述語形容詞」構文に対する語彙素レベルにおける分析
2.2 主題「Xは」の意味機能に対する考察及び仮説の設定
2.3 「林さんは髪が長い」構文によって表示される概念に対する考察
2.4 仮説の設定
3.0 「XはYが+述語形容詞」構文における「Xは」の意味機能に対する分析
3.1 主題「Xは」の意味機能に対する考察
3.2 「XはYが+述語形容詞」構文における「主題化」に対する分析と考察
3.2.1 認知プロセスと表現プロセスにおける「Xは」と「Yが」の「相対関係」に対する考察
3.2.2 「は」と「が」の使い分けに対する理論的背景
3.2.3 「主題化」を巡る各説の対立点に対する考察
3.2.4 主題化のプロセスにおける「Xは」による格「中和」機能に対する考察
3.2.5 主題化された「Xは」による意味支配領域の設定機能に対する考察
3.2.6 主題「Xは」による間接的に支配する意味領域範囲の設定機能に対する考察
3.2.7 「夏の海辺は太陽がまぶしい」構文における主題の派生プロセスに対する考察
3.2.8 認知角度の視点に基づいた「夏の海辺は太陽がまぶしい」構文の「Xは」と「Yが」が形成する意味関係に対する考察
3.3
「XはYが+述語形容詞」構文における「Yが」を設定する際の「Xは」の機能に対する考察――【ターゲット】としての「Yが」を探索し設定する際の【参照点】としての「Xは」の機能を中心に――
3.3.1 本項の目的と研究の手順
3.3.2 【ターゲット】としての「Yが」の設定をなす認知プロセスにおける「Xは」の機能に対する考察
3.4 「XはYがZ」構文中の主題「Xは」とそれぞれの文成分との係わり合い方に対する考察
4.0 「花は桜がいい」構文に対する認知意味論的分析と考察
4.1 「花は桜がいい」における主題「花は」に対する認知意味論的分析と考察
4.1.1 主題「花は」の表示する意味機能に対する分析と考察
4.1.2 名詞「花」を構成する「理想認知モデル」と主題「花は」の形成に係わるメカニズムに対する考察
4.1.3 「花は桜がいい」構文中の主題「花は」が派生される主題化プロセスに対する分析と考察
4.2 「花は桜がいい」構文における主題「花(X)」と小主語「桜(Y)」との係わり方に対する考察
4.3 主題「花(X)は」と「桜がいい(Y+Z)」との係わり合い方に関する分析と考察
4.4 メトニミー及びシネクドキが示す「隣接性」の差異に関する分析と考察
4.4.1 メトニミー表現を支える「隣接性」に対する分析及び考察
4.4.2 シネクドキ表現を支える「隣接性」と分類問題に対する考察
4.4.3 カテゴリ的意味によるシネクドキの形成について
4.4.4 グループμによる「シネクドキ二種類説」に対する考察
4.4.5 パース説に基づいた「隣接性」に対する考察
4.5 「花」と「桜」による文形成時における認知プロセスに対する考察
4.5.1 「花」と「桜」が表現する概念を支えるプロトタイプの抽出プロセスについて
4.5.2 「桜」と「雪」によるメタファーとの係わり合い方に係わる推論のメカニズムに対する考察
4.5.3 「花」と「桜」とが形成する包摂関係を表すイメージスキーマ
5.0 「花は桜がいい」構文における各文成文相互の係わり合い方に対する考察
5.1 「XはYが+いい」構文中の「いい」の表す概念に対する考察
5.1.1 「いい」によって表示される概念を支える意味構造の特殊性に対する考察
5.1.2 「いい」の支配する意味領域に対する考察
5.1.3 「いい」の概念形成プロセスにおける「公的水準・私準」の 設定問題に関する考察
5.1.4 「XはYが+いい」構文における「いい」の表す概念に対する分析と考察
5.1.4.1 「XはYが+いい」構文における「いい」の表す概念を探知する「逆探知プロセス」に対する考察
5.1.4.2 公準・私準のフィルター化の機能及びプロセスに対する考察
5.1.4.3 <許容する>の「花は桜がいい」における「いい」の表す概念に対する妥当性に関する考察
5.2 「花は桜がいい」構文における「桜がいい」という命題に対する考察
5.3 ラネカー説による「主題二種類説」の妥当性に対する考察
5.4 「花は桜がいい」構文の概念を表すイメージスキーマの試作
6.0 名詞「花」の多義性に対する意味分析
6.1 名詞「花」が表示する概念に対する意味論的考察
6.1.1 名詞「花」の概念を形成する構成素に対する分析と考察
6.1.2 「ハナ(花)」の概念を構成する連想グループに対する考察
6.1.3 多義語を巡る諸問題に関する考察
6.1.4 名詞「花」の表す多義的概念に対する意味分析
6.1.4.1 「花」の多義的別義[1](基本義)
6.1.4.2 「ハナ」の多義的別義[2]
6.1.4.3 「ハナ」の多義的別義[3]
6.1.4.4 「ハナ」の多義的別義[4]
6.1.4.5 「ハナ」の多義的別義[5]
6.1.4.6 「ハナ」の多義的別義[6]
6.1.4.7 「ハナ」の多義的別義[7]
6.1.4.8 「ハナ」の多義的別義[8]
6.1.4.9 「ハナ」の多義的別義[9]
6.1.4.10 「ハナ」の多義的別義[10]
6.1.4.11 「ハナ」の多義的別義[11]
6.1.4.12 「ハナ」の多義的別義[12]
6.1.4.13 「ハナ」の多義的別義[13]
6.1.4.14 「ハナ」の多義的別義[14]
6.1.4.15 「ハナ」の多義的別義[15]
6.1.4.16 「ハナ」の多義的別義[16]
6.1.5 「ハナ」の転義に関する分析と考察
7.0 「花は桜がいい」構文の認知意味論的分析と考察
7.1 「花は桜がいい」構文の概念が表す多義性に対する分析と考察
7.2 「花は桜がいい」のメタファーに基づく意味拡張の『写像投影図』に関する考察
7.3 「花は桜がいい」と「林さんは髪が長い」の二構文の表示する概念を支える意味構造の相違に対する考察
8.0 今後の課題
9.0 総括結論
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