第一章 忘れられた栗林中將
アメリカを象徴する硫黄島記念碑
日米いづれ劣らぬ勇敢極る獻身
忘れ去られた栗林中將
時世の在り樣で變る行動
事大打ちこはし思想と積極的健忘症
日本人は「ゴム人形」
南部人フォークナーの言葉
人間に關する普遍的眞實
自己批判こそ道徳的
美徳の寶庫、大いなる口實
眞實を追ふ狩人の傳統
勝者も敗者も哀れな裸の二足獸
忘れてならぬ敗者の見事第二章 知が力とならぬ文化
栗林とスミスの個性の激突
合理精神の論理の絲
全滅しても敗北はない
二つの敵
敵を知る者と知らぬ者
全てを主觀的に見る傳統
日米國力の隔絶を痛感
獨往邁進主義への急激な傾斜
力が活かされなかつた知米派
知る者を排撃する風潮
人の未だ嘗て思はざる所を思ひ
爆發せんばかりの怒り
第三章 吾人將校ノ覺悟
軍人敕諭の近代的メッセージ
明治の軍人と昭和の軍人
軍閥抗爭史に無縁
死に至る迄の「將校ノ覺悟」
部下逹の記憶に殘る栗林
奇蹟的な迄の強烈な統率
人事にまつはる恐るべき弊風
軍中央は前線の實情と遊離
滅ぶべくして滅びた帝國陸軍
最惡の事態を想定する西洋文化
我々は蟻の門人
本來の任務の自覺
忘れられた日本人
「邦家ノ將來」は「我等ノ雙肩」に
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第四章 日本近代の本當の姿
硫黄島を訪ねて
最後ノ一瞬迄戰鬪ヲ續行セントス
フォードA型と最新のキャデラック
凄じき肉薄戰鬪
日本近代の本當の姿
騎兵廢止論
吉橋徳三郎の自決
本格的近代化を沮むもの
撮み食ひの西洋理解
悲劇を祖國教育の眞の機縁に第五章 二つの自己認識の相剋
皇室中心主義と栗林
我等ハ國民ノ儀表ナリ
國柄への自信
二つの自己認識の相剋
哀しくも人間らしい美しい日々
戰爭といふ試煉の熱鐵
自我よりも宿命の子供
民族の深部に根差した現象
硫黄島守備隊最後の奮戰
全將兵ニ告グル命令
「屍を敵に渡すな」とて自決
栗林忠道略年譜
參考文獻
人名索引
跋 文 |