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そのをりをり

「そのをりをり」(三宅正太郎著)・書影
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三宅正太郎 著
A5判・上製・クロス装・函入
定価:5000円+税 2006年10月刊
ISBN978-4-905849-54-4

名法官の随筆集(現代語表記)

泉鏡花や里見ク、久保田万太郎などとも親交があり、名裁判官にして稀代の随筆家、演劇にも造詣の深かった三宅正太郎。時局が切迫した先の大戦前後に三宅が書いた短・中編を採録した「そのをりをり」を現代表記で新訂版として復刊! 敗戦時の悲痛と再起を誓った名編「戦敗る」ほか、法律、裁判、戦争等における諸問題を人生の機微に通じた達意の文章で描く! (新訂版)

名  著  復  刊 !

三宅正太郎著作シリーズ 全6巻完結

著者略歴

三宅正太郎(みやけ・しょうたろう)
明治二十年東京都生まれ。明治四十四年東大独法科卒業、大正二年判事となり、司法省参事官兼外務書記官、司法大臣官房秘書課長、大審院判事、札幌、長崎控訴院長を経て、昭和十五年司法次官、同十六年大審院部長、同二十年大阪控訴院長、同二十一年退職のち、弁護士、国会議員。昭和二十四年逝去。著書 『裁判の書』『法官餘談』『嘘の行方』『わが随筆』等。

本書より一部抜粋 (「法学における私の立場」から)

私は今の法律が権利と義務で埋まっている現状を、フランス革命直後の行きすぎがまだ清算されていない状況だと見ている。私の権利義務に関する考えをいうと、まずこの世の中に生まれ、国家の一員、社会の一分子として生活する我々は、まず何よりも、国家の一員として、社会の一分子としてなすべき義務を負わされているのだ。民法は第一条に人間が生まれたときから権利を持つと規定しているが、あれはその前に、人間は生まれたときから義務を負うことが先行的観念として規定されていなければならないのである。我々がしてならぬことは限りなくある。道徳からも風俗からも、慣習からも、法律からも、あらゆる挙動について我々は数限りない義務に服している。というと、これまでの考えによれば、その義務に対して、何人かが権利を持つと考えやすい。義務があれば、義務を要求する権利者があると見ようとするのだが、実は我々は天に対して負うているので、権利者があるからそれに対して義務を負うというものでは本来ないのだ。例えば、我々は人をだますことは禁ぜられている。だが、それだからといって、皆がだまされない権利を持っているわけではない。つまり、大きく見ていくと、我々各人が数多の義務を負っているために、我々各人はだまされないという利益を受けているのだ。つまり、我々がだまされて迷惑しないのは、そういう権利を持っているためではなくして、他人が天に対して人をだましてはならぬ義務を負うているからだまされない地位に我々が安住していられるのである。

目次

覚悟/亡き人々とともに/迷わずに/同胞/一滴のうるおい/法律の心/法学における私の立場/白石異人を裁く/信仰/戦敗る

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