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栗本鋤雲遺稿

栗本鋤雲遺稿・書影
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栗本 瀬兵衛 編
(ケース題字/序文◆島崎藤村)
A5判・上製クロス装・函入
定価:8000円+税 ISBN978-4-905849-77-3

幕末の国際人が記した日・仏両国の随想・見聞録!
幕末日欧外交史に必携!

江戸幕府の対フランス外交官として活躍した、幕末きっての国際派・栗本鋤雲。彼の遺した、国内事情からフランス見聞録にまで及ぶ遺文の数々を一冊に! 第二帝政期当時のフランス世相や欧州各国情勢を記した渡仏見聞録「暁窓追録」をはじめ、興味深い随想、談話等を多数収載! 幕末維新史、日欧外交史のみならず、近代西欧史研究にも必携の貴重な史料!

栗本鋤雲(くりもと・じょうん)

江戸末期の幕臣、明治期の新聞記者。号は匏庵(ほうあん)。幕府箱館奉行所組頭として、医学院の建設、薬園経営等に尽力し、樺太や南千島の探検も行う。1863年江戸帰還後は外国奉行として幕府の親仏政策を推進し、フランスの指導による製鉄所建設や軍事顧問招聘などに尽力。1867年、徳川昭武一行のパリ万国博覧会訪問に随行して渡仏、滞在中に大政奉還の報を知る。明治維新後は新政府の仕官要請を謝絶して下野し、郵便報知新聞の主筆を務め、ジャーナリストとして活躍した。(1822〜1897)

目次

 序(島崎藤村)
鉛筆紀聞
暁窓追録
暁窓追録補
横須賀造船所経営の事
メルメ・デ・カシヨン口訳筆記
仏国公使軍事の上書
仏国公使の建言
下ノ関償金の顛末
幕末の形情
 
養蚕起原
岩瀬肥後守の事歴
独寐寤言
 急流勇退
 攘盗の別
 真勇似怯
 帝陵修繕の挙は徳川五代将軍に創まる
 二世将軍伊達政宗と囲碁の談
 堂島の米市
栗本鋤雲年譜抄
後 記

「巴里の気候は江戸より遥かに寒く、殆んど奥羽二州に似たり。予が客たるの冬は四十年来の寒威なりと云ふ。静寧(セーヌ)河凍合し腹堅く、人馬履み渉るべし。且快晴の日至つて少く、亭午の斜にして箱館に在る日の想をなす。是に於て男女パチネの戯あり、パチネは履底に滑沢の鉄条を施し、氷上を走行し、翩々旒々舞ふが如く翔るが如く、国帝皇妃も時として出遊し、衆に混じて此の戯をなす。巧みなる者は履鉄にして細字を書し、行々氷上に印する者あり。」
(本文「暁窓追録」より一部抜粋)

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